小金毛織株式会社
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“ 素材を編む ” をコンセプトに誕生した手芸糸ブランド KOGANE。
ブランド立ち上げにあたり、まず皆様にお伝えしたいのは、私たちのルーツである 小金毛織株式会社のこと。
1952年に創業し、長年にわたり日本の産業とともに歩んできた歴史があります。
石井社長と石井龍希専務にお話を伺い、ブランドの背景である小金毛織の糸づくりへの想い、これからの挑戦についてお話を伺いました。
小金毛織はもともと生地を織るための織糸工場として歩みを始めました。
現在は千葉県柏市を拠点とし、秋田県湯沢市にある自社工場の秋田小金株式会社で糸を紡いでいます。セーターやカーディガンなどに使われるニット用の糸を中心に製造しており、日本の紡毛紡績の一端を担ってきました。
創業から73年を迎えた今も、石井社長は「次世代を担う若い世代へ技術を継承すること」を念頭に、日々糸づくりに取り組んでいます。
次世代を担う石井龍希専務は「自分が還暦を迎える年に、会社はちょうど100周年を迎えることになる」と語り、それを運命のように感じているそうです。
100周年をしっかり迎えるために、これからもひとつひとつ丁寧に挑戦を積み重ねていきたいというその言葉から、これからの歩みにかける思いが伝わります。
モノづくりの根底にあるのは、“ 素材の良さを最大限に活かす ” という想いです。
それは糸には空気をたっぷり含ませ軽く柔らかに仕上げることで、素材本来の特性をより良く感じられる糸づくりを心がけています。
秋田小金では紡績から撚糸までを一貫して行い、高いクオリティと安定性を保っています。
こうした基盤の上で、時代や環境が少しずつ変わる中でも、新しい可能性を大切にしながら挑戦を続けています。
これまで小金毛織の糸はブランドを通じて各工場で編み立てられ、セーターやカーディガンなどの衣料品へと形を変えてきました。
これからはKOGANEを通して、小金毛織の糸本来の柔らかさや風合い、空気を含んだ軽やかさなど、素材の魅力をそのまま感じられる手芸糸として皆様の手元に届けていきます。
編むたびに手に伝わる温もりや、糸が生み出す表情の変化を楽しんでいただき、糸と向き合う時間そのものが、日々の暮らしの中で小さな喜びや創造のひとときになるようご提案いたします。
Text : Satoko Yoshida