KOGANEの糸について(後編)
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KOGANEの糸についての前編では語れなかった、ローンチでご提案している4素材についてお伝えしていきます。素材に対する理解が深まると、より一層糸選びが楽しくなります。どうぞご覧ください。
(前編はこちらからどうぞ)
まずは素材そのものをシンプルに伝えられるように、素材名をそのまま名前として冠した
『cashmere』『YAK』『BLUE FOX WOOL』をご紹介します。
- cashmere -
とろけるように柔らかく滑らかな肌触りを持つカシミヤは、主に中国・チベット・モンゴル・インド・イラン・アフガニスタンなどの昼夜の寒暖差が激しく、標高の高い山岳地帯や、乾燥した砂漠地帯に暮らしています。個体数も少ないうえに、毛の生え変わりが年に1度しかないので希少性が高い素材として広く知られています。KOGANEはそのなかでも品質評価が高い中国の内モンゴル産カシミヤを厳選して使用しています。
毛糸玉を触ったときに、「この糸は良い糸だ…!」と感じることは多くはないと思いますが、KOGANEの『cashmere』は、手にとっていただいた瞬間にわかる心地よさをもっていて、この糸で編んでみたいと思わせてくれます。そして、編んでいる最中も、完成したアイテムも編み手に暖かく寄り添ってくれます。この糸を皆様にお届け出来ることがとても嬉しいです。
糸の太さは並太くらいと少々太めですが、空気をたくさん含ませて仕上げているので軽く、小物からセーターまで様々なアイテムにお使いいただけます。薄手のカシミヤアイテムは第二の肌のような感覚で好きですが、個人的には太めの糸で編まれたカシミヤアイテムがしっかり守ってくれる安心感と極上の満足感を味わえるのでかなり好みです。
日常に特別感をくれる「cashmere」をぜひ試してみてください。
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- YAK-
ヤクはチベット高原を中心とした標高3,000メートルから6,000メートルという厳しい高地で暮らす、ウシ科の動物です。日本では十数年前から徐々に取り扱われてきていますが、希少性の高さはカシミヤにも匹敵するほど。ヤクの毛は、外側の硬くて長い毛と、内側に密集して生えている柔らかい産毛の2層構造になっています。繊維として使用されるのは、この内側の産毛です。この産毛がとても貴重で、1頭のヤクから1年間に採取できる量はわずか100gのみとなっています。(ちなみに、羊1頭からは年間約4kgの毛が取れます。)
そんなヤクの繊維は、カシミヤと似た繊維構造を持っていて、優れた保温性を誇ります。そのうえカシミヤよりも通気性が高いので、蒸れにくく快適な着心地のアイテムが作成できます。
また、KOGANEの『YAK』は全て染めていない天然色という点も大きな特徴です。ブラウンとホワイトヤクの毛をバランスよく調合して色合いを変化させています。ぜひ、ヤク本来の美しい色合いを楽しんでください。
そして、優しく包み込んでくれるような温かさを感じていただき、日々の暮らしを豊かにしくみてください。
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- BLUE FOX WOOL-
フォックスの毛は主に毛皮用としてスカンジナビア地域や中国などで養殖され、使用されていましたが、近年では殺生せずに毛を梳きとって毛糸用に使用する取り組みが増えています。
淡く青みがかったペールグレー色の毛が特徴のブルーフォックスは、数種類いるフォックスのなかで最も滑らかな毛質をもっているとされています。チクチクするような刺毛がほぼ無いのでふんわりと柔らかい糸になり、とても良い着心地のアイテムを作成できます。また、繊維構造がスポンジのような空洞になっているので、暖かい空気を閉じ込めることができ、保温性があってとても軽やかです。毛足の長さもポイントで、アイテムに上品さを加えてくれます。
そんなブルーフォックスという素材ですが、ブルーフォックスのみの糸にしてしまうと柔らかいけどハリがない、クタッとした糸になってしまいます。そこで、KOGANEでは高品質なメリノラムウールを混ぜ合わせて、強さと柔らかを持ったしなやか糸を作りました。ブルーフォックスとウールの良いところを両取りした、とっておきの糸です。
商品タグもブルーフォックスをイメージしていてお気に入りの素材です!
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最後に『Thank You』の糸をご紹介します!
- Thank You -
オリジナルのミックスカラーをデザインした『Thank You』は、実は太さと混率が違うカシミヤとウールの糸2種類を合計7本撚りあわせて作られています。
太さを変えることで1本の糸に対して色が見える割合を調整しています。メインカラーのなかに、ほんのりとブルーやホワイト、ベージュなど奥行きのある複雑な色合いを表現出来ているのはそのためです。
ポップな色合いなので編んでいるときも楽しく編めますし、単色じゃないので普段あまり使わない色にも挑戦してみたら面白い発見があるかもしれません。
『Thank You』と名付けたのは手にとっていただいた方、それを編んで誰かに贈る方、様々な方々へ感謝を伝えたいという想いを込めてという意味なのですが、裏話があり、この糸の混率に秘密が隠されています。(既に気づかれていた方はさすがです…。)偶然の出会いから良いものって生まれますよね…!
そんな偶然にも感謝してこれからもKOGANEの糸作りに励んでいければと思っております。
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以上、駆け足気味に素材についてお伝えさせていただきました。気になった素材はありましたでしょうか?
気になった素材はやっぱり実物をみてみたいですよね。ご案内している素材見本ですが、もう間もなく発送していきますのでお楽しみに!
また、10月・11月と皆様にお会いできるイベント出店が待っています。こちらも間もなくアナウンスいたしますので、SNSのフォロー&チェックをよろしくお願いいたします!
それでは
編み物のある、よい暮らしを。
Text : Mitsu